先生

病気に負けない|c型肝炎を排除してくれる

転移しても治療できる理由

男の人

全身のがん細胞にダメージ

あらゆる病気の中でもがんという病気が特に恐れられているのは、転移する性質を持つからと言えます。がんはまるで寄生生物のように体内で勝手に増殖し、血流に乗って離れた場所にでも移動できるのです。かつては原発病巣を手術で摘出しても、全身に転移するがんに対しては手の施しようがないと言われていました。現在大きく進歩を遂げたがん治療の中でも、転移がんが治療可能となった点は最大の成果と言えます。抗がん剤治療や免疫療法の発達によって、転移がん患者の余命率は大きく向上しています。全身に散らばる小さながん細胞に対して、大きなダメージを効率よく与えられるようになったのです。がん発症の陰には、がん細胞が体内の免疫システムを巧妙にくぐり抜けてきたという事実があります。この能力を獲得したがん細胞は驚異の増殖力を発揮しますが、抗がん剤や免疫療法がこれにストップをかけます。がん細胞にダメージを与えて自然死に導くこの手法により、がんとの共存すら可能になってきました。副作用の少ない分子標的薬や免疫療法を採用している医療機関は、転移を宣告されたがん患者の人気を集めています。転移がんは治せないという常識が変わりつつあるのです。

局所転移と遠隔転移

一口にがんの転移と言っても、大きく分けて局所転移と遠隔転移の2つがあります。局所転移はがんが同じ臓器の他の部分に転移した状態です。がんのステージ3に相当するリンパ節転移は、原発部位に隣接するリンパ節への転移ということで局所転移に含まれます。局所転移は遠隔転移よりも治療しやすいと言われており、一部の臓器にとどまっていれば外科手術での切除も可能です。これに対して遠隔転移は、血流やリンパの流れに乗ったがん細胞が離れた場所に根を下ろした状態です。脳や骨・肺・肝臓など、血流の多い部分ほど転移しやすいと言えます。遠隔転移した場合であっても、がんが肺や肝臓など一部の臓器に限定されていれば手術での完治も不可能ではありません。目に見える大きな転移を手術で取り除き、小さな転移は抗がん剤や免疫療法でしらみ潰しにしていけばいいのです。転移がんの局所療法では、手術できない場合でもがん細胞縮小に放射線治療が活躍しています。骨転移に伴う痛みを軽減する目的や、脳転移が予想される場合の予防措置でも放射線が使われます。転移がんの種類に合わせた最適の治療を適用することで、延命効果だけでなくQOLも大幅に向上しているのです。